ヴィジョンの使者
少し前に見たビジョンそっくりのモンシロチョウが落ちていた。
「誰にでもいつかは訪れる静かな時。
それは実は湿り気のない
アンティークホワイトの白いチュールや
羽根飾りのように、
軽やかで少し甘い
懐かしさや安心感に
似たものかもしれない。
悲しさや寂しさとは無縁の、
全き自由への解放なのかもしれないよ」
私の意識をかすめたのは
本物の蝶ではなく、レースの生地で
出来ていたような気がするけれど、
今日拾ったモンシロチョウも、
そっくりの可愛らしさ。
この世界を謳歌して
次の場所へと飛び立った。
ぽとりと落ちて、爽やかな風に
なって昇っていった。
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